クリフ特集
ザイル器具講座 ザイル器具講座2 ザイル器具講座3 ザイル器具講座4


ザイル器具講座
クリフ 
投稿日:2006年1月11日<水>19時15分/福岡県/男性/42才

その4 ディッセンダー
降下器具のことですが、要はロープにブレーキをかけてくれる器具のことです。
当然、要救助者を吊り降ろす際にも使用します。
細かい人は降下器具と確保器具は別物だと言いますが、さてどうなんでしょう?用途に応じて使いやすいものを使うのがよろしいかと・・・・。
ロープを使ったクライミングの際には必ず必要になるものですから、これはもう各メーカーから様々なものが売られています。
クライマーがよく使っているのはブラックダイヤモンドの「ATC」に代表されるバケツ型で最近は8環を見なくなりました。
少々値が張りますが荷重が掛かればロープをロックしてくれる器具もあります。
レバー操作でブレーキを緩めるタイプのものが使いやすく、ペツルのグルグリはクライマーもよく使っている小型の確保器具です。救助現場では安全機能がついたIDの方が安心ですが、でかくて重くて高いのが難点です。
これらの器具を支点に設定できれば今まで肩がらみや腰がらみで重い人を必死で吊り降ろしていたのが馬鹿みたいに思えます。
懸垂降下の際には使うロープがシングルかダブルか、また径によっても器具の特性に違いがありますのでいろいろ試してみるといいでしょう。
従来のカラビナに2回巻きはというと・・・・以前試したときには、なぜかキンクがひどくて大変でしたので以来やっていません。カーンマントルロープ(ザイル)には合わないのでしょうかね、クライミングの技術書にもあの方法は見当たりません。
ただ、これもキンクに注意しないと使えないのですがイタリアンヒッチ(ミュンター・半マスト・のの字と呼ばれていますが)はポピュラーな技術です。
 


ザイル器具講座3
クリフ
投稿日:2005年12月7日<水>18時56分

その3 オープンスリング
テープスリングを縫い合わせて輪にしたものです。強度は20KN以上あります。
長さは各種ありますが、120cmくらいが使いやすいと思います。
レンジャーロープで作ったスリングに比べると、ずっとコンパクトで軽量です。私は防火衣のポケットに数本入れています。
おもに、支点の作成に使用していますが、自己確保の作成や引き揚げ吊り降ろしのアンカーとして大変便利です。応急座席も作れますし、数本あれば簡単に要救助者を縛着して吊り降ろすことも出来ます(三重もやいより痛みは少ないようです)。ホースの結着などにも使っていますが、ナイロン製以外のものは結索には向かないと聞いたことがあります。
注意しておく点は、伸びが少ないためオープンスリングのみで自己確保をとって転落した際には非常に強い衝撃荷重を受ける恐れがあることです(落下係数にもよりますが)。あくまで支点の作成に使用し、確保用ロープは伸縮性のある別のものを使用したほうが安全です。
うちの本部では以前、オープンスリングは、救助隊のみが使用していましたが、利便性が高く災害活動に有効であるとして(そんなに高価でもない)一般警防隊にも配置するようになりました。
 


ザイル器具 講座 2
クリフ 
投稿日:2005年11月21日<月>20時41分

カラビナ
アルミ合金で作られたカラビナは軽くて使用強度も十分あります。安全環はバネで閉まるものもあって安全性も優れているように思えますが、表示された数値のみを鵜呑みにして今まで使っていた鉄製のカラビナよりも丈夫だと思い込んでしまうのは危険です。
材質の強度を増すために粘りがなくなっているのです。
鉄製カラビナでも本当はいけないのですが、アルミのカラビナを3点引きするのは厳に慎まねばなりません。曲げの力も加えないように気を配るべきで、よくやる巻き掛けは禁止です。
カラビナに刻印されている強度の数値は2点の正しい位置にロープが掛かった時だけのものなのです。
また、ロープで擦ると鉄よりずいぶん早く磨り減ってきますしロープも汚してしまいます。
しかし、注意点(何製であれすべてのカラビナにあてはまるのですが)さえ理解していればたくさん持っても重くないし使い勝手が良いので、救助活動も迅速に行えて効率的です。
うちの救助隊では、従来のステンレス製とアルミ製のカラビナを用途に合わせて使い分けています。
 

ザイル器具 講座
クリフ 
投稿日:2005年11月15日<火>23時49分/福岡県/男性/42才

興味のある方がいらっしゃるようなので、私が知っている範囲で何回かに分けて情報提供したいと思います。
 その1 ロープ?ザイル?
ロープは英語,ザイルはドイツ語というだけで特に被覆されたロープをザイルと呼ぶわけではありません。ロープは大まかに分けてあまり伸びないスタティックロープと,よく伸びるダイナミックロープとがあります。(その中間もありますが・・)
我々が,引き揚げ,吊り降ろし,降下,登はんや渡過に使うとすれば伸びないロープの方が使いやすいでしょう。「ロープ登はん」もこのロープでは好記録が期待できます。
ロッククライミングの確保ロープとして使われているダイナミックロープは,伸びることで転落の際の衝撃を吸収してくれますので,我々も高所進入の際の確保や,引き揚げ吊り降ろしの際に別に設定する確保ロープとして使用しています。
ナイロンで作られているものがほとんどで、したがって取り扱い方も従来のロープと大差ありません。
結索も基本的に同様なのですが,撚りロープに比べて緩みやすいので端末処理は確実に行った方が良いでしょう。消防の半結びではなく止め結びで処理して下さい。クライミングの世界ではもやい結びは解けることがあるのでタブー視されおり,代わりに8の字結びを使っています。
また、滑り止めや、すべりを良くするワックスなどをつけることは器具を使用する際の支障やロープの寿命を縮めることにもなり危険です。

登山で使われるロープのほとんどすべてが輸入品です。我々がお世話になっている国内のメーカーにも過去を反省し頑張ってもらいたいものです。

 

Res:クリフ  題名:もう半世紀も前のことですが
投稿日 : 2005年11月21日<月>20時20分

井上靖の「氷壁」を読むと良く分かります。 

アイコン Res:どちて坊主??  題名:質問
投稿日 : 2005年11月20日<日>18時42分/海外/男の子/7才

『我々がお世話になっている国内のメーカーにも過去を反省し頑張ってもらいたいものです。』と書かれてありますね。国内のメーカーに何か?支障があったのですか? 

アイコン Res:coume  題名:PH更新します。
投稿日 : 2005年11月19日<土>11時29分

 ザイル講座,連載,楽しみにしています。
 もっともっと,情報提供お願いします・・・。